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医療職がブログで情報を発信する際には、専門職としての責任が伴います。特に医療・健康に関する情報は、読者の健康状態や生活に大きな影響を与える可能性があるため、法律や倫理の遵守が不可欠です。
以下では、医療職ブロガーとして守るべき重要なポイントを紹介します。
① 薬機法(旧:薬事法)
薬機法は、医薬品・医療機器・化粧品・健康食品などの広告に関する法律です。ブログ内でこれらの製品を紹介する場合、過剰な効果効能の記載は法律違反となる恐れがあります。
■ NGな表現例:
- 「このサプリで高血圧が治ります」
- 「これを飲めば一生病気知らず」
- 「絶対に効く!医者も驚いた○○」
■ OKな表現に直す:
- 「○○成分が含まれており、血圧をサポートする可能性があります」
- 「口コミでは“体調が良くなった”という声もあります」
根拠がない断言は避け、あくまで情報提供として書くのがポイントです。
② 医療広告ガイドライン
医療機関や治療法に関する表現には、厚生労働省が定めた「医療広告ガイドライン」のルールが適用されます。たとえ個人ブログであっても、病院名や治療効果について触れる場合は注意が必要です。
主な禁止事項:
- 治療前後のビフォーアフター写真の掲載
- 「絶対治る」などの誇大表現
- 他院や他業種の誹謗中傷
■ 医療機関を紹介したい場合:
- 公開情報(公式HPや厚労省のデータなど)を正しく引用
- 個人の感想として書く(体験談ベース)
- 読者に医療判断を委ねる書き方にする
③ 守秘義務と個人情報の取り扱い
医療従事者には、法律で定められた守秘義務があります。ブログで患者さんの話を書く場合は、たとえ匿名でも個人が特定されないよう慎重な配慮が必要です。
■ 適切な書き方の例:
- 「ある80代の女性患者さん」→「ある高齢の方」などにぼかす
- 日時・場所・疾患などの特定情報は伏せる
- 実話ではなく“似たような事例”として扱う
また、医療現場の内部事情を書くときも、組織批判や職場情報の暴露はトラブルのもとになります。ブログに書くべきこと/書かない方がいいことを区別する意識が大切です。
④ 健康被害リスクに対する配慮
あなたの発信が、誰かの誤解や過信によって健康を損なう可能性もあります。特に市販薬・サプリ・セルフケアに関する情報では、「個人差がある」「必ず医師に相談を」などの免責・注意書きを忘れずに記載しましょう。
■ 例文:
※この記事は個人の体験に基づいています。症状や体質によって効果には個人差があります。使用にあたっては医師・薬剤師にご相談ください。
⑤ 倫理的な発信とは?
最後に、医療職としての「信頼を守る発信」を意識しましょう。
- 根拠のある情報を、わかりやすく誠実に伝える
- 誇張せず、読者の不安や不信感を煽らない
- 自身の経験を通じて“共感”と“安心”を届ける
収益化を目指すとはいえ、医療職のブログは「正しい情報発信を通じて、誰かの役に立つこと」が信頼と成果につながる王道です。